5G テスト

1990 年代に 2G の出現がテキストメッセージングを可能にし、続く 3G への飛躍によりデータ伝送がサポートされるようになりました。これらの機能の上に構築された 4G LTE プラットフォームは、帯域幅、スピード、信頼性を改善しました。

自動運転車、「モノのインターネット」(IoT)、仮想リアリィティなど、新しい革新が次のパラダイムシフトを推し進めており、5G は帯域幅の増大とレイテンシの低減において指数的な改善をもたらし、これらの革新の原動力となっています。

既存のセルラー接続より 100 倍も速く、レイテンシは 1 ミリ秒範囲である 5G は物理的な光ファイバーの現在の能力を上回ることが出来ます。移行をサポートするために、5G テスト実践が開発され、エンドユーザーが求める一貫した性能を確保するために改善が加えられています。5G サービス展開の全フェーズに必要なツール、ソフトウェア、プロトコルおよび実践のコレクションが新興 5G テストフィールドのコアを形成します。

5G テストが重要な理由

5G は既存の通信規格の単なるバージョンアップではないため、5G テスト実践は新テクノロジーに固有の複雑さを特徴とします。期待される改善は、シームレスに並行して実行される複数要素の結果です。どのレベルでの不具合も即時にエンドユーザーの不満につながります。この最適な性能の予測内容およびその維持は、革新的で信頼性の高い 5G テスト実践によってのみ達成できます。 

  • New Radio (NR)
    5G New Radio

    5G NR は新しい OFDM ベースの無線 (ワイヤレス) 規格で、5G 運用の事実上の業界標準として LTE を置き換えるものです。3GPP (3rd Generation Partnership Project) は 2017 年 12 月に暫定 NR 規格をリリースしました。New Radio のスペクトラムには 6GHz 未満から最大 100GHz までの周波数が含まれます。この広いスペクトラムの大部分は、準 6GHz 帯域用 2G、3G、PCS 周波数帯域により占められていたが、これらのサービス終了により開放された帯域です。最初に取り上げて標準化されるのはモバイルブロードバンドへの適用です。MMTC (massive machine type communications 、大容量マシンタイプ通信) や URLLC (ultra-reliable low latency communications 、高信頼低遅延通信) などの追加機能は後ほど順次ロールアウトされる予定です。

  • ミリ波

    NR により定義された 100GHz 上限を含む超高周波数スペクトラムはミリ波として知られています。高周波数における数百 MHz 単位で利用可能な大量の帯域幅は高速を意味し、24GHz~100GHz として定義されるミリ波は 5G テストとサービス展開に不可欠な要素です。速度は増すが伝送距離レンジは短くなり、建物や壁などの障害物により信号が鈍らされる一方で、低周波数はこれらの物体内を通って伝わります。

  • Massive MIMO (マッシブマイモ)

    MIMO (Multiple input, multiple output 、多入力、多出力) は、耐用性の改善ではなくデータレートの増加(空間多重化)に使用できるアンテナテクノロジーです。従来以上に多数の無線アンテナを基地局鉄塔でのアレイに組み込んだシステムを massive MIMO(マッシブマイモ) と呼びます。高周波数では無線波長は非常に小さいため、アンテナの大型アレイをずっと小さいフォームファクターに組み込むことができ、massive MIMO 運用が可能になります。Massive MIMO は、データストリームを並行して伝送し、デバイスが単一メッセージとして組み立て直すことで、ミリ波に関連する弱点の一部を克服できます。

  • ビームフォーミング

    5G テストとサービス展開の成功に不可欠なもう一つの先進テクノロジーはビームフォーミングです。これは、無線信号を指向性ビームに集中させるアルゴリズムを使用する方法です。このアプローチにより、高周波数伝送を妨害し得る障害物を避けることができるうえ、戦略的に伝送を直接エンドユーザーに集中させることもできます。massive MIMO を使用することで、100 以上の個別のアンテナの集積アレイの伝播によりこのパーソナライゼーションをさらに強化できます。

  • ネットワークスライシング

    ネットワークスライシングの概念は、個別のデバイスまたはアプリケーションの特定ニーズに基づいてスペクトラムの一部を知的に使用することを指します。例えば、自動運転車は安全操作のために超低レイテンシを必要とするのに対し、IoT アプリケーションは処理量要求が非常に低い多数のデバイスにまたがります。モバイルネットワークは、トラフィックフローとリソース利用率を最適化するために手際よくリソースを構成します。


    Network Slicing

5G ネットワークテストにおける課題

ミリ波の使用、MIMO、ビームフォーミングの組み合わせにより、5G のインフラおよびパスウェイに信じ難いほどの性能向上が実現されます。これらの革新により導入されるさらなる複雑さは、 5G テストプロセスにおける課題ももたらします。MIMO は根本的には、これまで以上(より多く)のアンテナを意味し、これは組み込まれたアンテナがすべて完全に操作可能であることを保証するため、より高いテスト負荷が課されることも意味します。そのコンパクトな 5G アーキテクチャと密度のため、各アンテナ用の測定コネクターの使用はできなくなります。

超高周波数でのミリ波とビームフォーミングの使用も、テストにおいて更に障壁をもたらします。これらの周波数は環境状態からの伝搬損失の影響を大変受けやすいため、OTA (over-the-air 、地上波) テストの一貫性が損なわれ、複雑さが増します。それにもかかわらず、実行モードテストは個別接続点なしでは実施できないため、OTA はより頻繁に行う必要があります。

5G では、3G や 4G リリースでの直線的拡大と比べて必要な RF チャンネル数が指数的に増えるため、チャンネルのエミュレーションがより複雑になります。5G テスト機器が実用的であるためには、電子技術の急速な発展により複雑さを補完できるようになる必要があります。テスト範囲や確度を犠牲にすることなく、チェンバーテストその他の高価なテスト要素を最小限に留めるための創造的なソリューションを引き続き探求する必要があります。

5G サービス展開フェーズ

5G のサービス展開は複雑で困難な工程であり、慎重な計画とシームレスな実行を必要とします。各サービス展開フェーズ内での、最適化された 5G テストツールキットの慎重な使用が、成功を保証するための最善の方法です。多くの場合、これらのフェーズは圧縮され重複するものとなります。

  • 5G サービス展開フェーズ 1 – テクノロジーの検証と妥当性確認

    5G のサービス展開が成功する上で必要な前提は、信頼性の高い検証と妥当性確認 (V&V) です。このフェーズには、ネットワークが展開されてすぐの品質および信頼性を保証するための、仮想ネットワーク機能およびネットワークサービスの検証が含まれます。

    5G フィールドトライアルでのネットワーク全体の性能を測定し、実世界でのユーザー行動をシミュレートするために、スケーラブル 5G テストシステムとそれに統合されたデータサービスが必要です。数百万もの個別データフローをエミュレートし測定するソフトウェア機能も 5G V&V に不可欠な要素で、これにより負荷/容量試験およびベンチマーク機能を向上できます。
    5G Pain Points

  • 5G サービス展開フェーズ 2 - 展開、アクティベーション、&スケール

    5G サービス展開の理論が実践に移された時点で、アクティベーションとスケーラビリティに適切な 5G テストツール一式が必須となります。ミリメートル波の範囲にある 5G 信号のスペクトラムと干渉を解析するために信号を増大させる基地局アナライザーは、このサービス展開段階における最重要要素です。ネットワーク性能を監視・確認し、サービスレベルアグリーメント (SLA) を確認するソフトウェアにより、5G アクティベーション、性能監視、トラブルシューティング活動を増補できます。

    5G の到来によっても、高度なファイバーテストの重要性は失われません。例えば、光ファイバーケーブルを通して、C-RAN(Centralized Radio Access Network、集中型無線アクセスネットワーク)はアンテナサイトから離れたベースバンドユニット (BBU) 場所に共同設置できます。C-RAN アーキテクチャはまた、リアルタイム無線リソース調整の簡素化にも役立ちます。

  • 5G サービス展開フェーズ 3 - 保証、最適化、収益化

    5G 接続を通した収益化の機会は無限です。5G は単なるネットワーク変革ではなくビジネス変革だと言えます。超高速モバイルブロードバンド、モバイル HD ビデオ、仮想リアリィティゲーミング、広く普及している IoT アプリケーションは明らかな収益手段のほんの一例です。

    これらが稼働し続けるためにはそれぞれ、優れた顧客体感品質 (QoE) が必要です。ネットワークライフサイクル全体を通して仮想エージェントに接続されたリアルタイムインテリジェントプラットフォームは、5G トラフィック密度に真っ向から挑む効果的な方法で、継続的に QoE を保証・最適化し続けることができます。

5G Deployment Challenges

5G テストのベストプラクティス

3GPP は 5G NR の暫定規格をリリースしましたが、その多くの部分は最終的な調整を必要としています。非スタンドアロン (NSA) モードは 2017 年のリリースでカバーされていますが、5G スタンドアロン (SA) モード仕様の詳細には基盤技術としての LTE カバレッジに関する規定がなく、完成していません。

標準化は正確な 5G テストモデル開発の究極的な鍵で、これにより調和の取れたテスト実践が可能となります。LTE 規格が世界的に採用されるようになった今日、5G テストのベストプラクティスにおいても同様な進化が予測されます。

5G テクノロジー特有の広大な周波数レンジと広帯域幅サービスを考慮すると、ベストプラクティスの標準化がテクノロジー、ツール、アプリケーションの開発に歩調を合わせて進化し続けるものと思われます。

5G 革新に備える

5G が可能にする技術的発展は、かつてはサイエンスフィクションの世界のみのものでした。自動運転車、仮想リアリティゲーミング、「スマートシティ」、IoT は、5G が間もなく提供することになる帯域幅と改善されたレイテンシに備え、長期的なスタートを切った未来的革新のほんの一例に過ぎません。どの機能的発展でも同じですが、5G の持つ無限の可能性はより多くの創造性と新しいアプリケーションの連続したストリームをもたらします。

5G は高周波数のため、初期のサービス展開は全面的な障害を避けるために局地的に行うこととなるでしょう。5G トランスミッターは前世代のものより地面近くに置かれますが、これはデータ品質を確保するために、より多くのハードウェアが地表レベルに置かれることを意味します。

5G ネットワークのサービス展開が広まり、スタンドアロンモードの要件が形をとり始めるにつれても、革新的でコスト効率の良い 5G テストツールの需要は引き続き衰えを知らないでしょう。これらの強力でありながら柔軟性に富んだツールは、21 世紀最大の技術革新を陰ながら支えます。


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