5G テクノロジー

5G 技術とは何か?

5G という頭字語は、「第 5 世代」移動体通信を表しています。「G」は、導入済または導入予定の移動体通信技術の世代を示すために使用されます。5G はミリ波 (24〜100GHz の範囲にわたる高周波数スペクトラム) で動作可能であり、5G では利用できるスペクトラム量が多いことから現在よりもいっそう速くデータを送信できます。

この他に 5G 技術の重要な要素として、エンドユーザーに対して信号をより直接的に送信する高性能なビームフォーミング技術を採用した MIMO(多入力多出力) アンテナアレイの拡大利用や、提供されるサービスまたはアプリケーションに応じてリソースを合理的に分配するネットワーク「スライシング」が挙げられます。5G 展開に固有の技術およびインフラの数多くの変更点により大きなメリットがもたらされると同時に、ユーザー、企業、サービス事業者のそれぞれに潜在的な課題がもたらされることが考えられます。

5G の登場時期

飛躍的な通信速度向上と遅延低減の実現を謳う中、「5G が登場するのはいつになるか」という質問もよく挙げられます。これは実際には 2 つの質問になります。それと言うのも初期展開の予定表には、新しいデファクトスタンダードとしての 5G の広範囲における採用は含まれていないためです。

最初の障害は、3GPP を満たすリリース 15 標準の各種バージョンにより乗り越えました。リリース 15 では、5G の構成要素が初めて取り上げられました。標準の中にあった「非スタンドアロン」の部分は 2017 年に達成され、2018 年 6 月にはスタンドアロンモードが追加され、今や問題は解決されました。短期的には、非スタンドアロンモードでは 5G 展開において既存の LTE RAN、コアネットワーク、ハードウェアインフラがミリ波のスペクトラム終端のほか、サブ 6GHz 帯で利用可能となる見込みです。

主要通信事業者はいずれも、2019 年初めまでにリリースされる限定版の 5G に向けて歩みを着々と進めています。ネットワークインフラとは異なり、既存の携帯電話やモデムの利用に関しては前方互換にならない見込みです。主要電話機メーカーの大半は、5G の登場に備えるべくハードウェア開発を迅速に進めていますが、広範囲に普及するには消費者が大規模に移行する必要があります。こうした理由から、5G への一大転換は少なくとも 2020 年までは起こりそうにないと見られています。

スタンドアロン型展開は、通信事業者、端末メーカー、消費者が移行を進めていくにつれて今後数年間で拡大を続けていくと考えられ、新たな 5G ネットワークは一から作り上げられます。今後 2〜4 年間で着実に、あらゆる地域で 5G が最適な速度とサービス利用可能水準に達することでしょう。

State of 5G Trials

5G の速度は?

5G 技術への移行と、これに伴う飛躍的な通信速度向上は、幌馬車から大陸横断用航空機に一足飛びに移行するようなものと考えられます。

5G の速度試験を実施している通信事業者は、速度が最大 70Gbps に達したと報告しています。業界出資によるシミュレーションでも、4G ユーザーではデータ速度が 71Mbps であるのに対し、ミリ波を使用する 5G ユーザーではデータ速度が 1.4Gbps となり、目を見張る結果が出ています。

速度の向上に伴い、遅延が大幅に減少しています。このことは、自律運転自動車や「仮想」ロボット手術など即時的通信に依存する新技術にとって、重要な要素となります。4G では典型的な遅延が約 20ms であるのに対し、5G では遅延が 1ms 程度になると期待されています。

5G の到達範囲

ミリ波周波数における速度と引き換えに、到達範囲が限定的なものになります。ミリ波における 5G サービスの到達範囲試験の結果は鉄塔から約 500m であり、純粋にスタンドアロン型の 5G でサービス展開するには MIMO 対応アンテナアレイが多数必要となります。さらに、ミリ波信号には障害物を突き通る能力がなく、こうした障害物はモバイルユーザー向けのネットワーク設計において考慮する必要があるため、到達可能範囲はいっそう限定的になります。ここに挙げた到達範囲の制約が、基地局を新たに複数の論理素子に分解する方法で 5G アーキテクチャをいっそう柔軟なものにする取り組みの契機となっています。こうした取り組みにより、基地局に求められる各種要件を満たす可能性がある不動産を活用し、最小限の設置面積という制約下でも複数機能のローカルアグリゲーションを備えるネットワークを柔軟に展開できるようになりました。

到達範囲について予見される懸念を念頭に置くと、当分の間は LTE または 低周波数帯 5G が 5G ネットワークの構成要素の 1 つとして残る可能性があり、アンテナ付近にいるユーザーのみがその恩恵を十分に受けられると考えられます。スタンドアロン型 5G ネットワークを実現する上で小規模セル技術のほか、従来型の無線塔に対する独創的な代替案が活用されると考えられます。 

消費者と企業にとって 5G 技術が意味するものは何か

消費者も企業も通信速度向上、いっそう強固なセキュリティ、アプリケーション類の追加を絶えず求めており、このことが 5G 技術の必要性を駆り立てる原動力となっている一方、ユーザーの多くは 5G が日常生活に与える影響に気づいていません。消費者に与える影響が最も顕著で直ちに現れるものとして、ストリーミング機能の飛躍的な速さが挙げられます。インターネットに電話線またはケーブルで接続された従来の一般家庭用 WiFi システムの中には、直接 5G に接続され、大半の光ファイバーネットワークと同等の通信速度になる例も考えられます。

5G が実業界に与える影響も多大です。チップ、モデム、電話機のメーカーは、来たる移行に備えて体制を整えつつあります。銀行、自動車、農業などその他の産業でも、モノのインターネット (IoT) の進化により著しい影響を受けると考えられます。ATM から灌漑設備まで、あらゆる機器がゆくゆくは「スマート」製品の巨大ネットワークの一部となり得ます。医療業界でも、膨大な数のウェアラブル端末が医師にデータをストリーミングできたり、あるサービス事業者から別の事業者へ大容量データファイルを効率良く転送できたりするなど、最も大きな影響が見られる可能性が考えられます。

サービス事業者にとって 5G 技術が意味するものは何か

サービス事業者が 5G に対応する上で必要なインフラ構築を急ピッチで進めている一方、電話機メーカーが予期される 5G 展開で後れを取っている点を踏まえると「急いで片付けてあとは待つ」という状態であることが大いに考えられます。

サービス事業者の一部では LTE と 5G の橋渡し役として、既存の鉄塔でマッシブ MIMO を展開して活用しています。ミリ波における 5G の到達範囲の短さとアンテナ数の増加により、サービス展開の中で事業者同士の競争とコスト削減活動が共に勢いを増しています。

IoT は、サービス事業者と顧客との関わり合い方を変えると考えられます。例えば、アプリケーションの中には複数の端末を横断して低帯域幅を必要とするものもあると考えられ、これは関心の的がデータ利用の定量化から全体的な QoE (体感品質、Quality of Experience) に移行することを意味します。産業用ロボットなどの業務用アプリケーションでは、顧客にとってサービスの信頼性が価値要素の立役者となる可能性が挙げられます。5G 技術のアプリケーションの移り変わりが、提供されるサービス内容のいっそうの多様化をもたらすと考えられます。

5G 技術の利点と欠点

主だった技術的進歩のほとんど全てと同じく、明白な利点は時として負の結果により部分的に相殺されることがあります。5G 技術に関して入念な試験が数年にわたり続けられてきたものの、本当の利点と欠点は移行が十分に進むまで完全には定量化できない可能性があります。

5G の利点

5G がもたらす通信速度と遅延の改善は明らかであり、4G や 4G 以前の標準を上回る顕著な利点です。5G 技術のもうひとつの利点として、5G と併せて導入される MIMO アンテナアレイの小型化と、いっそう精密な信号送出指向性に裏打ちされた端末サポートの大幅な改善が 5G 固有のものに挙げられます。

改良された 5G のネットワークアーキテクチャにより、ユーザーがセルからセルへ移動した際のハンドオフが円滑になります。これによりデータ伝送の中断や信号損失が減り、ユーザー体験が全般的に改善されます。

5G の欠点と危険性

5G に特有の利点とほぼ同じく、高周波数への移行とミリ波における無線信号の挙動に起因する明白な欠点も数多く挙げられます。ここでは明白な欠点としてまずは、到達範囲の短さと障害物の影響を受けやすくなることが挙げられます。

高周波数帯は、建物や樹木などの障害物のほかに空気中の水分や降雨の影響をいっそう受けやすく、既に限定的な到達範囲が、最善に劣る気象条件下では深刻な問題に見舞われる可能性があります。限定的な到達範囲に対する明快なソリューションがアンテナ数を増やすことである場合、無線伝播に関連する景観配慮および環境面の問題が別の懸念材料となります。

この他に 5G の欠点にはコストに関するものが挙げられます。アンテナアレイは、サービス展開コストの一側面に過ぎません。これらのアレイは、ハードウェアが大規模となるに比例して整備、補修、障害対応が必要となります。端末用のミリ波アンテナは既に開発済であるものの、その複雑さゆえに価格下落をもたらす規模の経済性を効果のないものにする可能性があり、ひいては電話機のコスト上昇として消費者に転嫁されることとなります。

5G における電波指向性とセルサイズの小型化の構想により、サービス利用可能範囲の基本単位は旧来の技術よりもずっと小さな区画に分解されます。これらは相互に関係し、容量を維持しつつもサービス利用可能範囲を担保するほか、適切なシナリオの中で移動性を担保するようにも設定および最適化を実施する必要があります。

仮想化インフラに関し、いっそう柔軟なネットワークアーキテクチャを計画、展開、管理、運用、最適化することはネットワーク事業者にとって新たな課題となり、これまでにない専門性が求められることとなります。

VIAVI の 5G 技術

サービス事業者やユーザーに与える影響で取り上げたように、5G 技術は実に革新的です。標準規格やサービス展開戦略の変化に対して柔軟性を保ちつつ、こうした進歩と歩調を合わせるテストソリューションは、この技術を成功裏に導入する上で必要不可欠です。革新的な 5G テストツールが、既存技術と新たな 5G 技術との間の橋渡し役となります。

CellAdvisor 5G

基地局アナライザー

5G 基地局の導入、コミッショニング、保守用テストソリューションは、5G が伴う複雑性に適応することを求められてきました。VIAVI Cell Advisor 5G では、マッシブ MIMO ビーム検証やリアルタイムのミリ波スペクトラム分析などの分析機能を、5G やレガシーアプリケーション向けに用意された良質なファイバー、同軸、空中インターフェイスのテスト機能を備えた包括的で汎用性に富む機能の中に組み込みました。5G ビーム分析機能ではビーム ID、出力レベル、信号対雑音比の特性を個別に明らかにします。5G ルートマッピング機能では、リアルタイムのビーム強度マッピングとサービス利用可能範囲検証が円滑に進むように支援します。

ネットワークの展開と最適化

Viavi TM500

この新環境の設計と開発段階を通して綿密な試験を実施することは、商用 5G サービス展開の成功には不可欠です。試験に早く着手するほど、問題も早期に発見されます。試験は複雑であるかもしれませんが、難しいものである必要はありません。 

VIAVI は、現在と将来の需要に応えるネットワーク性能を開発して証明するツール類を提供します。これらのツール類により、多岐にわたるネットワーク機能と端末の性能および機能の分析、開発、検証を実施できるようになり、運用の効率性と安全性を向上させます。

VIAVI TM500 は、基地局開発および RF を介した試験実施では業界標準と目されています。これは、複数のセルや異なる無線アクセス技術を横断するエンドユーザーの利用環境と同じ状況下でネットワーク性能を検証するスケーラブルな試験システムです。RF からパケットコアに至るまで、ネットワークのあらゆる性能を測定できます。TM500 は 5G ネットワーク開発を加速するほか、その信号強度、MIMO アンテナ伝播、高データレートによりネットワークテストの限界を押し広げ続けていくため、業界にとって極めて重要な製品であり続けます。TM500 は非常に優れた移動性と拡張性を兼ね備え、高水準の容量試験用ユーザー機器をサポートする、設定変更が可能なトラフィックとチャネル条件により、5G ネットワークテストの今後の様々な課題に対応する準備が整っています。

5G コアエミュレータ

TeraVM – 5G Core EmulatorTeraVM は仮想化アプリケーションエミュレーションおよびセキュリティ性能試験ソリューションを提供し、高度に最適化されたネットワークとサービスが最小のリスクで提供されることを保証します。TeraVM は市場初の NFV 試験ソリューションとして業界内の地歩を固め、アプリケーションサービス、有線ネットワーク、無線 (ワイヤレス) ネットワークの試験全般に対応しました。

TeraVM には RAN とコアのエミュレーション機能が完全に備わり、5G ネットワーク開発のソリューションをこれひとつで提供します。そして TeraVM は TM500 と組み合わて使用すると、スタンドアロンモードでも非スタンドアロンモードのどちらでも 5G 試験全般を包括的に実施できるようになります。

TeraVM Core Emulator は最新の 3GPP 標準に準拠し、5G RAN ネットワークの開発を簡素化します。

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