PCIe

一般に PCI Express および PCIe という頭字語で知られるペリフェラル コンポーネント インターコネクト エクスプレスは、ほぼすべての内部コンピュータコンポーネント接続の業界標準となった高速コンピュータバス アーキテクチャです。

PCIe はコンピュータプロセッサとメモリーからその他のコンポーネントとペリフェラルへの接続を提供します。このインターフェイスは、PCI および ISA (Industry Standard Architecture) を含む古いパラレルバスアーキテクチャを置き換えるためにデザインされた高速シリアルトランスポートです。PCIe は、従来のものに比べデータ転送速度が著しく改善されたポイントツーポイントアクセスバスを使用します。

1980 年代の早期のコンピュータバス アーキテクチャは CPU と全コンポーネント間のパラレルデータパスに基づいていました。

1990 年代の後期には、PCIe の前身が開発され、マザーボードの対応位置にスライドさせて装着した接続デバイスカードのお馴染みのフォームファクターが統合されました。PCI バスには 32 ビットと 64 ビットのバージョンがあり、一方で AGP(アクセラレーテッド グラフィックス ポート)が PCI バスで提供できるより広い帯域幅のグラフィックコントローラ接続用に特別に開発されました。今日では、両インターフェイス共、ほとんどが PCI Express で置き換えられています。

PCIe とは?

2000 年初期までには、内部ハードウェアおよび周辺機器によるコンピュータ帯域幅の要求量の激増により PCIExpress または PCIe として知られる次世代 PCI へ移行するに至りました。従来型 PCI に比較した PCIe の最大の利点は、PCI アーキテクチャで使用されていたパラレルインターフェイスではなくシリアルインターフェイスを使用する点にあります。もう一つの利点は、接続された機器が共有バスではなくそれぞれ個別のバスを使用する点です。

データ転送性能は、必要接続機器での複数レーンの使用によりさらに向上しています。割り当てられている接続データポート数で定義されるレーンの増加、つまり x1(1 倍)から x16(16 倍)は、対応するデータ転送量の増加を表します。これで、容量が必要とする場合、ポイント A からポイント B に移動するデータは複数のバスにて同時に運ぶことができるようになります。

事実上の標準としての PCIe の広い受け入れと人気に伴い、USB、Bluetooth、ビデオカードを含む、さまざまな機能コンポーネントがこのプラットホームを採用しています。ビデオコントローラやストレージデバイスは、PCIe アーキテクチャの出現で実現されたテクノロジーの一例です。 これは、過去 10 年間に経験したグラフィックスとコンピュータの性能の改善が何よりの証拠です。

PCIe アーキテクチャ

PCI Express アーキテクチャに含まれるブレークスルー機能により、PCI と比べて転送レードが一段と速くなっており、続く PCIe の各バージョンはこれらの改善の上に築かれています。従来のPCIは、共通のアドレス、データおよび制御ラインを利用していましたが、PCIeのポイントツーポイントトポロジは、接続された各デバイスに別々のリンクを提供し、それぞれを他のデバイスの潜在的な制約から解放します。

PCIe による通信では、「パケット」と呼ばれるデータ転送モードを使用します。PCIe ポートのトランザクション層は、データのパケット化とパケット解除の作業を行います。PCIe と従来式 PCI の電気信号方式の違いにより、異なる電気およびコネクター アーキテクチャの開発が必要で、PCIe スロットが PCI カードと非互換になりました。

PCIe フォーマット

PCI Express 用に各種のフォーマットが開発されており、それぞれわずかに異なる命名方法を使用しています。どの拡張カードがお使いのシステムで使用できるか(できないか)を知るためには、これらの PCIe フォーマットがサイズとバージョンに関して何を示しているかを理解することが不可欠です。

PCIe のバージョン

2002 年に PCIe 1.0 が発表されて以来、急増する帯域幅と周波数の要求に応えるために新バージョンが続々発表されて来ました。バージョン 1.0 では利用可能な帯域幅は、合計 16 レーンのトラフィックを収容できる、ほんの 8GB/秒弱でした。PCIe 1.0 の周波数は 2.5GHz でした。新バージョンごとに、合計帯域幅は 2 倍になり、周波数は 2017 年に導入された PCIe 4.0 では 16GHz に増えて、帯域幅は 64GB/秒でした。この倍化傾向は 2019 年リリース予定の PCIe 5.0 まで継続しています。性能の改善に伴い、各バージョンは新機能を提供し、エネルギー効率も増加しています。

2~3 年ごとに帯域幅を倍加してプロセッサー速度とメモリーの急増に追いつき、ボトルネックになることを避けるという険しい基準を満たすために、各バージョンは設計者に新しい課題を投げかけます。帯域幅の増加に沿ってクロストークと電気的な不連続性が増えるため、新素材とデザインの革新により限界に挑んでいます。

PCIe のサイズ

PCI Express カードのサイズとピン数は、レーン数と合計接続数によって決まります。これはすべての PCIe バージョンで同様です。利用可能な PCIe サイズとそれに対応するピン数は以下の通りです:

タイプ長さピン数
PCI Express x125mm18 ピン
PCI Express x439mm32 ピン
PCI Express x856mm49 ピン
PCI Express x1689mm82 ピン

PCI カードとは異なり、スロットがカードと同じサイズかそれより大きい限り PCI Express カードはどのサイズの PCIe スロットにも装着できます。これは、x1 拡張カードは x1、x4、x8、または x16 スロットに装着できることを意味します。この逆も適応可能で、x16 カードは x4 スロットに装着できますが、これができるのはそのスロットの背後が開いたタイプの構成である場合のみです。

PCIe カードで利用可能な帯域幅は CPU またはマザーボード PCIe コントローラのリビジョンに依存しており、これはコントローラがバージョン 2.0 用に構成されていればバージョン 3.0 カードはバージョン 2.0 カードの帯域幅でしか作動しないことを意味します。

PCIe の将来

PCI Express の将来は 2019 年にリリース予定の PCIe 5.0 にかかっています。この新リビジョンは、その前身と同様、現在のバージョン 4.0 の帯域幅を倍化する予定です。性能のアップグレードに加え、PCIe 5.0 の物理的な違いには短いキーとプリント基板への改善された素材の統合が含まれます。PCIe 5.0 は PCIe 3.0 および 4.0 との下位互換性を保ちます。この理由で、マザーボードとアダプターカードは即座のアップグレードを必要としません。コンピュータハードウェアのデザイナーとメーカーは PCIe を最新製品に組み込むため、事実上の標準という定着した位置付けが一層確立され続けることになります。

コンピューティングパワーとメモリーの拡張は急激に進化しており、今のところ、PCI Express バスはそのペースに沿うことができていますが、そのマージンは狭まって来ています。それほど遠くない未来のデータ転送技術革新は、使い慣れた信頼性の高いバスと比較してハイパーループのように思えるかもしれません。スピードと帯域幅の要求を満たす上でコンピュータ技術が重要な役割を果たすとは思わないため、PCIe性能の継続的な進歩のための設計者へのプレッシャーは、近い将来も続くことでしょう。